胃の過形成性ポリープとは?
胃ポリープは胃粘膜上皮に局所的な増殖を起こした隆起病変で、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられます。過形成性ポリープは、非腫瘍性ポリープに属し、胃の中でよく見つかるポリープの1つであり、ピロリ菌感染による長期間の炎症から発生した萎縮性胃炎を背景に生じることが多くなっています。
サイズは10㎜以下の場合が多いのですが、30㎜を超えることもあります。サイズが大きい場合は慢性的な出血による貧血をきたしたり、さらに胃がんの合併例も報告されているため、注意が必要です。ピロリ菌の除菌による過形成性ポリープの縮小・消失が報告されており、除菌治療が治療の選択肢の1つとなり得ます。
治療の必要がない場合は、毎年胃カメラによる経過観察を行って、変化がないかを確認する必要があります。
原因
胃粘膜への慢性的な刺激によって生じると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。ピロリ菌感染が胃の過形成性ポリープ発症の誘因になっており、感染による長期的な炎症によって一部がポリープになると考えられています。
検査
健康診断や人間ドックの造影剤を用いたX線検査で経過観察を指摘され、来院される方が多くなっています。
多くの場合は良性で問題ありませんが、胃カメラ検査を受けることでポリープの色や形状、タイプがはっきり分かります。さらに、組織を採取して確定診断が可能です。また、ピロリ菌感染の有無を確かめることができますので、陽性だった場合には除菌治療が可能になります。
X線検査では発見できなかった微細で平坦な病変も胃カメラ検査であれば発見が可能です。経過観察の指摘で不安を感じている方は、ご相談ください。
治療
まれにがん化する場合がありますのでその可能性のあるもの、サイズが大きいもの、症状を起こすもの、出血の可能性があるものは内視鏡による切除を行います。
また、ピロリ菌感染陽性の場合には、除菌治療によってサイズが小さくなる・消失することがあるため、現在はまず除菌治療を行った上で経過を観察してから必要があれば切除するというケースも増えています。